私たちLiquitousは、デジタル技術と市民参加の仕組みを活かし、地域とともに「声がまちをつくる」プロセスを支える会社です。
福知山市と連携し、「福知山市2040年市民会議」の設計・運営、そしてオンライン意見募集プラットフォーム『2040 くらしのスケッチ』の活用を支援しています。
2026年2月28日、福知山市で「2040年市民会議」の第5回にして最終回となる会議が開催されました。ファシリテーターは参加者に対し、今回の大きな特徴を説明しました。それは、AI技術を活用したリアルタイム分析によって、各グループの討議内容を即座に集約・可視化するというものです。
この回は、前回までに作成された提言書(ビジョンマップとライフステージ別課題マップ)に対する市民の率直なご意見を集め、最終的な提言の質を高めることが目的でした。
ワークショップ内容:グループ討議(前半40分)
会議前半では、5つのグループに分かれた参加者が、現在の提言書ドラフトについてのご意見を共有しました。各グループでの議論から、複数の重要なテーマが浮かび上がってきました。
ビジョンマップのデザイン改善
• 12項目は多すぎるとの声が多数。5~6個に絞るべきという提案
• 上部の青色が丹後半島に見間違える懸念—福知山市の地形がわかりにくい
• 小さい文字の解説が読みにくい—よりシンプルで視認性の高いデザインが必要
• イラストが理想的すぎる—実際の課題や課題感も反映したリアルなビジュアルに
• 色の統一—桔梗色など福知山市の公式カラーに合わせるべき
世代分けの問題
• 子育て世代と働く世代が重なるため、現在のライフステージ分けが現実的でないとの指摘
• 年代別(0歳~18歳など)で分けた方がよいとの提案
• 子ども自身の視点が欠けている—大人目線だけでなく、当事者の声が必要
• ライフステージ別ではなくテーマ別の方が良いという意見も
内容の改善
• 理想論が多く、具体性が不足している
• 「教育のまち」としての特色が反映されていない—福知山の強みをより前面に
• 産業・雇用の観点が不足—地域経済の持続性が課題
• 防災が組み込まれていない
• 障害者の視点が不足—インクルーシブなまちづくりの視点が必要
• 地域性への配慮—市街地と周辺部の違いを認識した施策が必要
• 人口減少データをメインに据えるべきという提案
市民参加と役割分担
• 市役所任せではなく市民主体の姿勢が不可欠
• 市民の関わり方の見える化—どのように参画できるのかを示す必要がある
• リーダー育成の課題—地域を担う人材の育成・確保
優先順位の選定(後半20分)
グループ討議の後、各グループは上記の改善提案の中から3つの優先課題を選定しました。全体での共有により、その時点のビジョン案において、最も重要な改善点が明らかになってきました。
全体会:AI分析結果の共有と班別報告
会議の全体会では、ファシリテーターがAIツールで分析した結果を共有しました。
• ワードクラウド—よく出現した言葉や概念を可視化
• 論点分析—議論の構造と関連性を整理
各班の代表者からは、上記のテーマについての要約が発表されました。ファシリテーターは整理された内容をコメントし、これらを「宿題」として持ち帰り、次ステップの検討に活かすことを明確にしました。
ポストイット・ワークショップ:市民の本音
会議の最後に、2つの自由記述型の問いが投げかけられました。参加者の率直な声が集まりました。
問1:今の福知山の課題
• 人口減少
• 交通(移動手段の不足)
• 市民性の課題—「よそ事」にしない姿勢が必要
• 子育て環境
• 産業・雇用
問2:2040年の理想の姿
特に多く寄せられたキーワードは「自分でみんなで」でした。このシンプルながら力強いフレーズには、以下のような想いが込められています。
• 社会参加—市民一人ひとりが主体的に関わる
• 多世代共生—年代を超えた助け合い
• 「こどもの声がするまち」—次世代が育つ活気ある地域
• 安全安心
今後のステップ
最後に、福知山市経営戦略課の芦田係長から、今後の予定が説明されました。
本日の意見を踏まえて、提言書の名称、デザイン、構成、内容をブラッシュアップした上で、最終版となる正式な提言として取りまとめられます。その後、参加者の皆さんにお送りするとのこと。また、この提言は次期「まちづくり構想 福知山」の策定に反映される予定です。
まとめ:市民主体のまちづくりへ
第5回の会議を通じて見えてきたのは、福知山の市民の皆さんが「まち」の課題に対して、単に行政に任せるのではなく、自分たちが参画し、自分たちの手で未来を作っていきたいという強い想いです。
「人口減少」という大きな課題に直面する福知山だからこそ、一人ひとりの市民が主体的に動き、多世代が協力し、誰もが『自分でみんなで』取り組むことができる環境づくりが重要なのではないでしょうか。
この2040年市民会議で集約された提言は、単なるドキュメントではなく、福知山が目指す未来へのコミットメントとなるでしょう。